死神の精度

死神の精度

自分の拙いことばで感想を言ったりして、この本のおもしろさを台無しにしちゃうなんてことをしたくないんだが、それでもみんなに触れてまわりたくなるほど好きな作品。言葉のテンポとかセンスが秀逸だなと感じる。
Amazonのレビューにも書いている人が多いですが最終章「死神と老女」は後半に差し掛かるにつれて会話や主人公の目に映る情景だけでなく心情までもがこちらに伝播しなんともいえない気持ちになる。最後(最期と書くべきか)は実に素敵で美しい。作品全体を読み進めながら「ああ確かに。死ってこういうもんかもな」とどこか他人事のような自分に気づいた。主人公が担当する6人の登場人物の生を「人じゃない視点」で知る。人間がなにを思い考えて生きてきたか主人公の「仕事」を通じて。
深夜CDショップで一心不乱にミュージックを視聴している人を見かけたら お、まさか!なんて親近感湧いちゃいそうだ。
ちょっと古めかしくて突拍子もないことを不意に言っちゃう優しい千葉さんがとても好き。あー好き。