人生の鍛錬―小林秀雄の言葉 (新潮新書)

人生の鍛錬―小林秀雄の言葉 (新潮新書)

今日のお出かけ読書。
言葉にするのが不得意で 特に感情をうまく人に伝えるということがニガテで、言葉にした途端「ああああなんかちがう」と自分にがっかりすることがある。そんな時、小林さんの言葉に触れると、今日みたいなしとしと雨の中でも見上げたら灰色の雲の切れ間に明るい空があった、そんな感じにすっと気持ちが軽くなる。
光がないと闇の存在がわからないのと同じくものごとには相反するものがそのすぐ隣にあるんだと思う。よく目を凝らさないと形がわからない事も多く、経験したことがなければ存在自体見えないのだろうけど、できるだけ努めてその所在や本質を感じ解っていければいいなあと思う。

美しいものは、諸君を黙らせます。美には、人を沈黙させる力があるのです。
これが美の持つ根本の力であり、根本の性質です。絵や音楽が本当に解る
という事は、こういう沈黙の力に堪える経験をよく味わう事に他なりません。
ですから、絵や音楽について沢山の知識を持ち、様々な意見を吐ける人が、
必ずしも絵や音楽が解った人とは限りません。解るという言葉にもいろいろな
意味がある。人間は、いろいろな解り方をするものだからです。絵や音楽が
解るというのは、絵や音楽を感ずる事です。愛する事です。
P.177 「美を求める心」
歌は読んで意を知るものではない。歌は味わうものである。似せ難い姿に吾れも
似ようと、心のうちで努めることだ。ある情からある言葉が生まれた、その働きに
心のうちで従ってみようと努めることだ。これが宣長が好んで使った味わう、
という言葉の意味だ。
p.195 「言葉」

本居宣長の本も読んでみよう。

本当は…家でなかなか読めずにいる仕事に関わる本を完読すべく外に出たのだけれど、えへへへこちらはまったり進行中。読了までは至らず。
この本イイよーと教えてもらった「京都で珈琲」という喫茶店紹介本を購入。少しレトロで 珈琲だけでなくその空間の味わいを大切にしたお店が多々紹介されていて、一店ずつ巡り隊を本日午後 結成した。今んところ隊員1名。