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- 作者: 幸村誠
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/01/20
- メディア: コミック
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近未来の宇宙SFものだなー読みこなせるかな楽しめるかなーという心配は杞憂に終わった。登場人物の志向性がクリアだし皆が自分の生き方において迷ったり悩んだりしているその描写がよい。端的で間延び感がないのでどんどん読み進めることができて、それぞれの人生観や生い立ちや環境・信念に依るキャラ設定は彼らが発する言動において違和感がなくて説得力抜群だと思う。後でwikipedia(プラネテス)をみて「ΠΛΑΝΗΤΕΣ」(プラネテス)が古代ギリシア語で「惑う人」という意味があると知りなるほどなと思った。宇宙SFというよりむしろこちらの要素が強いように感じた。
夢を追う一本気な質でストレートな物言いをし自分と違う思考や感覚を排除しがちだった主人公(八郎太)が人と関わり接する中であることに気付いていく過程がぐっときます。小説を読んでいる感覚で読んだ。八郎太周辺人物のエピソードも個性的で優しくてイイ。
なにかを突き詰めて生きていく。その一方で、それぞれが壁にぶつかったり惑いながら自分の中に「真理」、つまり揺らがない支え(立ち戻れる場所、というか)を見つけることができるといい。自分だけの揺らがないそれがあるからこそたとえ困難があっても歩みを進めていけるものなのだねー。などとおおげさだけどこの漫画を読んでそう思った。
以前NHKで放映されていたアニメ版はまだ見れていないのです。楽しみ。