サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)

読了。とてもおもしろく読んだ。
「潜在認知」とか「サブリミナル」「情動」等、苫米地英人さんなど脳科学者の著書でよく見かける言葉が盛りだくさん。似たような流行りのライフハック的な内容かと読み進めたが、脳の写真や実験の模様などの記述が多く結果に至るアプローチがより科学的で心理学者の著書として新鮮に感じた。著者の経験や考えが色濃く反映されすぎたライフハック本には抵抗を感じていて(事実や根拠がどこにあるのかわからない)誇張しすぎず淡々と事実を述べてくれる方が納得感がある。そういう意味でこの本は自分の中にしっくりきた。著者の優しく語りかけてくれる表現も好きです。
特に第5章 創造性と「暗黙知の海」が興味深かった。「クリエイティビティ=創造性」について論じるのは危険なテーマでありかつありがちなアプローチだとしながらも大変わかりやすく納得のいく「独創性とはなにか」の説明があって、自分としてはこの章が読めただけで達成感があった。