いつぶりだろう、久々に恋愛小説読んだ。

クローズド・ノート

クローズド・ノート

映画のイメージが先行して(映画は観ていません)あまりピンとこなかったんだけど、思いのほかページを繰る手が進みました。雫井さん、ミステリー作家ですよね?今までミステリー作品ばかり読んでいたから自分の中でちょっとした衝撃でした。
男性作家が描く女性主人公の視点で進む話ですがまったく違和感なくて、伊吹先生や香恵ちゃんに共感せざるを得ません。小学校教師、伊吹先生の純粋さに心が洗われるし教え子達を見るまなざしが温かくて泣いてしまいました(後で分かったんだけど、実在の方をモデルにされていたのですね)。
ストーリー全体がきれいな話です。最後、石飛さんに向けて香恵ちゃんが読む(伊吹先生の)手紙もいい。自分は登場人物の心情に共感ポイントを探す読み方を好むので、そういう点でも読みやすい内容でした。香恵ちゃんの言葉に頷ける人も多いんじゃないかな。

出会いって不思議ですよね。意識するまではいくらすれ違ってても出会ってないわけで、意識し始めて初めて、出会ったことになるんですよね
p.365

読み終えて万年筆探したくなります。