走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

裏表紙にあることばに惹かれて一気に読んだ。

もし墓碑銘なんてものがあるとしたら「少なくとも最後まで歩かなかった」と刻んでもらいたい

著者の小説またはご自身が好きな人もそうでない人も読んでみて損はないのではないかと思わせる素晴らしいエッセイ。走ることについて とタイトルにあるが それを生きることについて に置換えてもいいんじゃないかな。23年間毎年フルマラソンのレースに出場した著者が走ること 走りながら考えてきたこと(走る nearly equal 生きること)をとても実直な言葉で綴っている。マラソンを始めた33歳から順に村上さん自身の生活風景が濃やかに素直に描かれていてリアリティがある。
この本を読んで羊男〜あたりのむかしの作品を再読したくなった。